子どもに教育を

フィリピンでは、5人に1人の子どもが、小学校を卒業できないまま大人になっていきます。

基礎教育を受けることは、最も重要な子ども権利の一つです。
子どもたちにとって小学校は、以下のような場です。

  • 生まれ持った能力を花開かせるための訓練の場
  • 読み・書き・計算といった社会生活を営むための基礎を身につける場
  • 集団で互いに協力して物事にとりくむ力を伸ばす場
  • 自尊心を育む場

しかし、貧しさのために小学校すら卒業できない子どもたちも大勢います。

そんな子が一人でも減るように
私たちは、次のような内容の「子ども教育プログラム」を2つの地区で実施しています。

子ども教育プログラムー3つの柱

【1】教育支援

文房具セットを受け取って大喜びの子どもたち

支援する子どもたち全員に「新品の学用品セット」と「年度末に支払う諸費の一部」を支給しています。

2025年度実績:320名

【2】「子どもの権利」ワークショップを実施

自分の手形に大切な人の名前を書き込んで、みんなの前で発表するワークショップ。自分の想いや考えを言葉にして伝える力を伸ばします。

集落ごとに「子どもの権利」を学ぶワークショップを実施しています。

子どもたちが、貧困、いじめ、虐待などによる苦しみを乗り越えていくためには、「自分の辛さ・苦しさを自覚する力」、「言葉などで伝える力」、「周りに助けを求める力」を身につけることが重要です。

いじめや児童労働、虐待など、権利侵害の場面に遭遇したとき「NO」と声をあげられるよう、子どもたちには学ぶ権利や、怒鳴られない権利、暴力を振るわれない権利があることを、ゲームやロールプレイを交えながら学んでいます。

  • 土曜日の補習授業(年20回程度)
  • サマークラス(夏休みに12回程度)

また、ワークショップ時には、おやつや軽食を提供しています。(都市スラム・トンド地区では、クッキーとジュースなどのおやつ/農漁村ペレーズではマカロニスープやビーフンなどの軽食)

【3】子どもを守るための保護者への働きかけ

保護者向け子どもの権利セミナーの様子

「子どもの権利」を子どもたちに教えるだけでなく、保護者の方にも「子どもの権利」を知ってもらうセミナーを開催しています。

保護者会も定期的に開き、子どもたちが困ったときに助け合える関係づくりを後押し。 体罰、いじめ、育児放棄といった子どもの権利侵害が見つかったら、地域の保護者と協力して解決に向けて行動しています。

子どもサポーターの皆さまの協力で実施しています

「子ども教育プログラム」は、子どもたちと日本のサポーターが力を合わせて卒業を目指しながら、子どもたちが安心して成長できるようサポートする活動です。

応援する子どもから届くメッセージカードや報告書で成長を感じることができ、子どもたちも、サポーターさんからのお手紙に励まされ、卒業までがんばることができます。

これまでの成果

1998年から実施しているプログラムです。2024年度末までに、626人の卒業をサポート!現在、年間320人(小学生270人/中高生50人)を支援しています。

今まで支援した子どもたちの中には、フィリピン教育省に就職した人、警備員になって安定した収入を得られるようになった人もいます。

アンレスさん(写真左)

【卒業生のその後】子どもサポーターの支援で小学校を卒業

日本のサポーターさんのご支援で、小学校を卒業することができました。高校卒業後にバタンガス市の工場に就職して安定した収入が得られるようになったため、きょうだいの進学費用を私の収入から賄うことができました。2025年1月、同じ会社で働く技術者と結婚し、現在は生後5か月の娘と3人で、バタンガス市で暮らしています。

あなたも子どもサポーターになって、
かつてのアンレスさんのような子どもの夢を応援しませんか?

これまで実施した教育支援活動

①幼稚園運営

小学校進級のための大切なプロセス

幼稚園は読み書きや数の数え方などを学ぶとともに、一定の時間椅子に座って集団で学習することを経験する、小学校に進級するための重要な過程です。アクセスでは以下の2地区において幼稚園の建設・運営を行っていました。

子どもたちの年齢に応じた教育に加え、給食を実施するとともに、保護者向けに子どもの権利を侵害しない子育ての仕方についてセミナーも行っていました。しかし、フィリピン政府が就学前教育に力を入れるようになり、幼稚園年長組が義務教育化されたことなどから、アクセスとしての幼稚園運営は終了することになりました。

これまでの成果

2018年度末までに、1,000人以上の子どもたちがこれらの幼稚園で学びました。
2019年度は、株式会社ドロキア・オラシイタ様のご支援により、週3回の給食を子どもたちに提供しました。週3回の給食が子どもたちにとって大切な栄養源になり、学校に行こうと思うモチベーションになっていました。  

②小学校校舎の建設と教育支援

16年間、小学校のなかった村

1991年6月にピナツボ火山が噴火。大阪府とほぼ同じ面積が、大量の火山灰と土石流に埋まり人家や農地が大きな被害を受けました。中でも、パンパンガ州ポーラック町ミトラ地区では、村が10メートルもの厚さの土石流に覆われてしまい、被災後16年が経っても復興は進まず、小学校すら建設されないままでした。

村の再建支援と小学校校舎の建設

アクセスは、1998年よりこの村の再建支援事業を進めてきましたが、2007年からは以下のように、教育面での復興に力を入れてきました。

  • 2007年 村の礼拝堂を使って幼稚園を開設・運営
  • 2008年 小学校2教室の校舎の建設
  • 2010年 小学校校舎をさらに2教室建設、校舎はフィリピン教育省に寄贈
        小学校に通う児童に給食の提供を開始
        教師給与の支援など小学校の運営支援
  • 2014年 大人向けの社会教育プログラム開始
  • 2015年 被災後初の小学校卒業式/子どもの権利セミナーを定期的に開催
  • 2019年 一定の復興を果たしたため、3月末で被災地での事業を終了

フィリピン教育省の活動の刺激に

こうした私たちの活動に後押しされて、フィリピン教育省も2014年に小学校4教室の校舎を建設。2008年には34人の生徒で始まった小学校の授業も、現在では幼稚園2クラス、小学校6学年が同地区で就学可能になっており、200人以上の子どもたちが就学できるようになっています。

これまでの成果

教育省による幼稚園・小学校の運営体制が整う中で、私たちの活動も一定の歴史的役割を果たしたため、事業は終了しました。
ご協力いただいた企業様