子どもに教育を

フィリピンでは、10人中2人の子どもが、小学校を卒業できないまま大人になっていきます。

基礎教育を受けることは、子どもの最も重要な権利の一つです。
子どもたちにとって小学校は、以下のような場です。

  • 生まれ持った能力を花開かせるための訓練の場
  • 読み・書き・計算といった社会生活を営むための基礎を身につける場
  • 集団で互いに協力して物事にとりくむ力を伸ばす場
  • 自尊心を育む場

しかし、貧しさのために小学校すら卒業できない子どもたちが大勢いるのです。

そんな子が一人でも減るように。
私たちは、次のような活動でフィリピンの子どもたちをサポートしてきました。

奨学金プログラム


子どもたちと日本のサポーターで力を合わせて、小学校卒業をめざす活動です。

奨学金プログラムの概要

貧困家庭の子どもたちが、小学校を卒業できるようにするための教育サポート制度です。

サポートの内容

視野を広げる足りないものを提供人をつなぎ、協力する場をつくる
土曜日に補習授業を実施(月2回)
本人と保護者に対し、子どもの権利セミナーを開催
文房具・制服・鞄などの支給
学校に納める諸費用の一部を支給
保護者会や子ども会を定期的に開催
子どもたちが困ったときに助け合える関係づくりを後押し

年間15,000円で、1人の子どもが1年間、小学校に

写真・手紙・報告書で子どもの成長を感じることができます。子どもたちも、サポーターさんからのお手紙に励まされ、卒業までがんばることができます。

これまでの成果

1998年から実施しているプログラムです。2017年度末までに、300人以上の卒業をサポート!現在、年間200人以上を支援しています。

80年代~90年代に支援した子どもたちの中には、フィリピン教育省に就職した人、警備員になって安定した収入を得られるようになった人もいます。

事業実施地域の概要

給食プログラム


子どもたちに、学校で食べるお昼ご飯を給食として提供する活動です。

給食の必要性

貧しい家庭では、朝ご飯を食べられないことがよくあります。
甘いインスタントコーヒーだけで済ませたり、インスタント麺一袋をきょうだい3人で分けて食べるといった家庭が少なくありません。

学校給食制度がないフィリピンでは、お昼休みに家に帰って昼食をとったり、家が遠い子は売店で軽食を買って食べたりします。家に現金のない日にはお昼ご飯を食べられないことも。

そうすると、子どもたちは空腹のせいで授業に集中できなくなります。また、学校に行きたくなくなる子もでてきます。中には栄養失調になる子どももいます。

アクセスの給食プロジェクトの3つの効果

  1. 栄養状態の改善
  2. 出席率・学力の向上
  3. 保護者同士の協力関係が築かれ、助け合える環境が整っていく

保護者が当番制で調理ボランティアを担ってくれています。メニュー作り、食材の買い出し、調理、後片付け、会計管理を保護者同士で協力して行うことで、困ったときに相談しあい、支えあえる関係が作られていきます。

企業との協働事業としてスタート

給食プログラムに最初に力を貸してくださったのが近畿労働金庫の皆さまでした。
現在では、複数の企業、団体、個人によって給食事業は支えられています。

  

事業実施地域の概要

これまでの成果

2017年度末までに、30万食以上の給食を、子どもたちに届けました!

これまで実施してきたその他の教育支援活動

幼稚園運営

フィリピンの都市スラムおよび農村で、2つの幼稚園を運営しています。

小学校進級のための大切なプロセス

幼稚園は読み書きや数の数え方などを学ぶとともに、一定の時間椅子に座って集団で学習することを経験するという、小学校に進級するための重要な過程です。

アクセスでは、以下の2地区において幼稚園の建設・運営を行ってきました。

  • パヤタス地区 1994年~1995年/2013年~2018年
  • ピナツボ地区 2007年~2018年

これらの幼稚園は、フィリピンの学制の変更に伴い、2018年度で運営を終了する予定です。

給食や子どもの権利セミナーも開催

子どもたちの年齢に応じた教育を行うだけでなく、給食を実施するとともに、保護者向けに、子どもの権利を侵害しない子育ての仕方についてセミナーを行っています。

これまでの成果

2017年度末までに、1000人以上の子どもたちがこの幼稚園で学びました。

事業実施地域の概要

小学校校舎の建設と教育支援

16年間、小学校のなかった村

1991年6月にピナツボ火山が噴火。大阪府とほぼ同じ面積が、大量の火山灰と土石流に埋まり人家や農地が大きな被害を受けました。

中でも、パンパンガ州ポーラック町ミトラ地区は、もともとあった村が10メートルにも及ぶ厚さの土石流に覆われてしまいました。被災後16年が経っても復興は進まず、小学校すら建設されないままになっていました。

事業実施地域の概要

村の再建支援と小学校校舎の建設

アクセスは、1998年よりこの村の再建支援事業を進めてきましたが、2007年からは以下のように、教育面での復興に力を入れてきました。

  • 2007 村の礼拝堂を使って幼稚園を開設・運営
  • 2008 小学校2教室の校舎の建設
  • 2010 小学校校舎をさらに2教室建設、校舎はフィリピン教育省に寄贈
    小学校に通う児童に給食の提供を開始
    教師給与の支援など小学校の運営支援
  • 2014 大人向けの社会教育プログラム開始
  • 2015 子どもの権利セミナーを定期的に開催

フィリピン教育省の活動の刺激に

こうした私たちの活動に後押しされて、フィリピン教育省も2014年に小学校4教室の校舎を建設し、2008年には34名の生徒で始まった小学校の授業も、現在では幼稚園2クラス、小学校6学年が同地区で就学可能になっており、200人以上の子どもたちが就学できるようになっています。

これまでの成果

2017年度までに○人の子どもがこの小学校で学びました。

教育省による幼稚園・小学校の運営体制が整う中で、私たちの活動も一定の歴史的役割を果たしたと言えます。2019年度からは新たなかかわり方を模索していくことになります。