支援に「条件」をつけるのはどうして?

月1回の保護者会で集まった、奨学生の保護者の皆さん
 

今日のライター : 事務局長 野田沙良(のださよ)

先日、子ども教育サポーターの方から、こんなお便りをいただきました。

こんにちは、子ども教育サポーター(旧:奨学金サポーター)のNです。
先日いただいた、奨学生についてのレポートに「保護者としての任務を果たせなかったため、支援を終了します」といった記述がありました。
困っている人に支援をするプログラムにおいて、保護者の任務を「支援の条件」としていることをどう理解したらよいかと思っています。教えてください。

子ども教育サポーター Nさんからのメールより

確かに、この点について皆さんにしっかりとご説明したことがありませんでした。
そこで今回は、Nさんに宛てて書いたお返事を少し編集した形で、皆さまにもお届けします。アクセスが子ども教育プログラムに込めた想いを知っていただけたら幸いです。

Nさんに宛てたお返事より

Nさま

こんにちは、アクセスの野田です。
フィリピンでの1か月滞在の疲れもとれ、ようやく日本の秋のきもちよさを楽しんでいます。
さて、先日ご質問いただいた「奨学生の保護者の任務」について説明させていただきますね。まずは、アクセスの子ども教育プログラムの全体像からお話します。

プログラムの全体像

アクセスの子ども教育プログラムは、金銭的・物質的な支援を届けるだけでなく、子どもたち・保護者の皆さんが、一緒に協力する力をつけることを大切にしており、以下の3つの柱で成り立っています。

1)就学サポート
貧しい家庭の子どもたちの就学のため、学用品や学校に収める諸経費の一部を支給しています。

2)子どもを守るための、保護者への働きかけ
保護者と子どもを対象に、子どもの福祉と権利に関する啓発セミナーを開催しています。また、毎月1回は保護者会を開催し、保護者同士が話し合って、地域の子どもたちの保護のための活動を自主的に行うように働きかけています。

3)生きる力を伸ばす
子どもたちを対象にした土曜日・夏休みの補習授業を通じ、子どもたちの生きる力(創造性やコミュニケーション力など、WHO(世界保健機関)が定める10のライフスキル)の向上を図っています。

保護者の任務とは

集落ごとに開催されている保護者会の様子

活動の3つの柱のうち、2)は、保護者の皆さんに働きかけ、考え方や行動を、子どもたちを守る方向に変化させていく活動です。年数回行っている子どもの権利セミナーへの出席と、保護者会議に参加することが「奨学生の保護者に求められる任務」となっており、「欠席回数が多すぎる場合は、子ども教育プログラムによる支援を停止する」というルールを定めています。

会議は月1回程度、集落ごとに開催。1~2時間かけて、保護者がそれぞれ抱えている悩みを共有したり、集落の子どもたちの直面している困りごとについて相談しあいます。
例えば、集落内のAちゃんが不登校気味だとわかれば、その解決のために保護者同士で協力してできることを話し合い、実践します。こうした協力と見守りのおかげで、児童労働を止めさせた事例や、不登校から復学できた事例などがあります。

いじめ、体罰をはじめとするさまざまな虐待、児童労働などは、物や資金の提供だけでは解決できません。そこで、私たちはセミナーや保護者会での話し合いを重視。「直面しているさまざまな困りごとを、周りの人と協力して解決しようと行動する保護者を増やす」ことを大切にしています。

そのため、「子ども教育プログラムに参加する」というのは、単に支援を受ける「受益者になる」ということではありません。「保護者としての任務を引き受けて、村の他の子どもたちや家族と一緒に生活をよくしようと行動する」ということを意味しています。

こういった趣旨は、参加前に必ず保護者に説明するようにしています。「貧しければ誰でも支援をうけられる」というわけではないこと、「サポートを受けると同時に、いくつかの任務を果たしてくれること」が参加の条件であることを伝え、納得してくれた家族だけが参加できる形になっています。

どうしても参加できない時は・・・

保護者向けのセミナーの様子。子どもの権利の基本から、権利を侵害しない子育ての仕方まで、さまざまなことを学ぶ場になっています。

とはいえ、実際にはそうした活動に協力的でなかったり、欠席ばかりの家庭もあり、そうした家庭はやむを得ず支援を停止することがまれにあります。
さぼっている家庭もあれば、シングル家庭で忙しすぎて活動に参加できないというケースもあります。後者の場合、祖父母や近所の人に代理出席してもらうよう働きかけます。やむを得ない事情で、本人も代理の参加も難しい場合は、現地スタッフとほかの保護者で話し合って、特例を作るといった対応策をとり、できるだけ支援を継続できるようにしています。

私からの説明は以上となります。
他にも気になる点がありましたら、どうぞ何でもお尋ねください。
ご質問くださってありがとうございました!

アクセス 野田


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この記事を書いた人

Sayo N

第二の故郷であるフィリピンで、「子どもに教育、女性に仕事を」提供することが仕事。誰もが自分のスタート地点から、自分のペースで成長できるような場づくりを大切にしています。アクセスの事務局長です。
趣味はライブに行くこと。