ヒントのない超難解パズルがとけはじめる時ー対話を止めないリーダーでありたい。

今日のライター : 事務局長 野田沙良(のださよ)

呪いから解き放たれて、たどりついた「対話」

それはまるで、ヒントのない超難解パズルを前にして、途方にくれるような日々でした。でもやっと今、パズルのルールが見えてきたような気がしています。ルールがぼんやりわかってきた今は、「このままちょっとずつやってけば大丈夫」と思えます。
私の周りには一緒に考えてくれる人がいるから大丈夫。やっと、そう思えるようになりました。

アクセスは今年、30周年を迎えました。

  • 企業が立ち上げた社会貢献部門だった最初の10年
  • ボランティアだけで必死で団体を維持していた次の10年
  • NGOとしてきちんと活動基盤を築こうとした次の10年

そんな30年を率いてきた、尊敬する大先輩たちは、もう還暦~喜寿くらいの年代になりました。

そんなアクセスで今、事務局長をさせてもらっている私。ここ6年ほど、ずっと頭の片隅に「世代交代」「私たちは何をめざすのか」というキーワードが、具体化されないままこびりついてきました。私は、次の10年を率いる一人。だけど、リーダーとして自信をもって掲げる目標を持てずにいたのです。

10年後に達成したいこと、それを表す目標を具体化したくていろいろ動くけど、なんだかうまくいかない。焦るし、どうしたらいいかわからないし、情けない気持ちになったり、孤独を感じたり。出口の見えない暗闇の中で、ふらふら、きょろきょろしていました。

そんな暗闇に光が差し始めたのは、1年くらい前だったでしょうか。

その変化は、あまりにも緩やかで、今ふりかえっても、どこがその始まりだったのかはわかりません。でもなんとなく「未来を一緒にやっていきたい人と仲良くならなくちゃ」と思うことから始まったように思います。

同世代の理事と飲みに行ったり。信頼できるNPOコンサルの人に相談したり。一緒に未来を創りたいフィリピン現地の若手職員の愚痴に延々と耳を傾けたり。そうしたことの延長線上に、今があるような気がしています。

今にいたる変化の中で最大のターニングポイントだったのは、「『自分の悩みを整理してからでないと相談してはならない』という呪い」から解かれたことな気がしています。よくわからないけど、もやもやとすることってありますよね。「何か違う」という感覚。それってすごく大切な感覚だと思うのです。それが変化や改善のきっかけになることは多い。ただ、変化や改善のためには、その「何か」が何物なのかを突き止める必要がある。それを自分だけで考えて整理できる人もいれば、できない人もいる。自分だけで整理できるものもあれば、そうでないものもある。

私はそれまで、「整理できるまでは相談してはならない」という呪いにかかっていたので、人に相談するということが全然できなかったのです。

呪いが解けた今、私は「たいていのことは何とかなる」と思えるようになりました。もやもやを開示し、一緒に正体を突き止めようとしてくれる人さえ近くにいれば、だいじょうぶ。そうやって一緒にもやもやの正体を突き止めていく作業を「対話」というのかもしれないな、と思っています。

だから私は、「世代交代」と、「私たちは何をめざすのか」の2つの問いに答えを出すために、これから対話の場をたくさん持ちます。ここ半年、試験的に「対話の場」を増やしてきたけど、これからどんどん、それを加速させていく予定です。

昨日は16名の方々と、アクセスの歴史を振り返ったり、皆さん経験を共有してもらったりしました。これからのアクセスについて考える、大切な大切なヒントをもらえる時間になりました。これからもそういう場はたくさん設けていこうと思っています。(まだ誘われていない人も、もし私から声をかけられたら、ぜひお付き合いください!)

昨日の話し合いの様子。みんなで、巨大なアクセスの年表を作成しました。
20代~70代が、みんな立場をあまり気にせずなごやかに、ざっくばらんに語り合えたのが本当によかった。

対話を止めないリーダーでいたい。

私はNPOの事務局長としては、至らないところがいっぱいあって、体力もない。前はそれが悔しくて、自信が持てなくて、みっともないところを隠して大丈夫なふりをしていました。エネルギッシュなNPO代表とかが羨ましくて嫉妬したりもしていました。(あ、今もやや嫉妬はあるな(笑))

でも今はそれでいいや、と思います。未熟でもいい。至らないところがあっていい。体力なくてもいい。その代わり、対話を止めないリーダーでいようと思います。そこだけは、絶対に譲らないリーダーでありたいと思います。