「会員・サポーターでも寄付者でもないのに、アクセスのカードをSNSでめちゃくちゃ推してくれている人がいる」― 「エシカルジャーナリスト」としてエシカルやフェアトレードの視点を積極的に発信されているARISAさんは、アクセスのグリーティングカードの取引店であるシサム工房のスタッフさんでもありました。
アクセスの商品との出会いやフェアトレードへの想いについて、お聞きしました。
(インタビュー実施:2021年8月26日、Zoom利用、 記録:アクセスFT事業部 園田・竹内)
当たり前にモノが届くことが、当たり前じゃない
―この4月からシサム工房で勤め始められたとのことですが、その前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
フェアトレードを仕事にしようと考えていたのですが、まずはビジネスを勉強しようと思い、新卒で総合物流の一般企業に就職しました。コンテナ輸送や海運という「モノを運ぶ一番最初のところ」で、モノの動きをまず学びたいと思いました。事務職として運搬の手配や、現場の指示などを経験しました。
実際仕事をしてみて、「けっこう泥臭いなあ」というのが正直なところでした。現場の人ととても近くで働いて、「自分の手元にモノが来るまでに、どれくらいの苦労があって、解決すべき問題があって、私たちのところに不便なくモノが届いているんだ」というのを知ることができる、いい機会になりましたね。
―フェアトレードやエシカルに関わっていくのに、気持ちが高まる経験になりましたか?
生産者と小売りの「間の人」のところだったんですよね。その流れや苦労を理解したので、納期が少し遅れたりすることにも、考え方が変わった。「当たり前にモノが届くことが、当たり前じゃない」ということを知ることができました。
もうひとつ学んだのは、一般企業だったので、利益を求めて仕事をする、会社を回していかないといけないという部分です。フェアトレードでは利益以外のものを大切にしますが、学生時代の自分は「利益以外のもの」というところにしか目線がいっていなかった。
フェアトレードは押し売りはうまくいかないけど、利益は上げなきゃいけない。その辺りのことが自分の中で地に足がついたというか。「お金じゃなくて、いいもの・魅力のあるものを売れば、利益につながる」。そこの流れが落とし込めたということが、一番の成果ですかね。頭ではわかっていたけれど、ちゃんと理解ができたという感じです。
何回も、矛盾がすごくて倒れそうになったこともありましたけど(笑) こんなにも利益を求めないといけないのかーって。でも、フェアトレードの道に立って今、その時の経験がより納得できるようになりました。
―その3年間の経験が、今のフェアトレードのお仕事に活きているんですね。
物流の過程を含めて、今の自分の仕事以外の周りにいる人のことも考えられるようになったと思います。
「押しつけないフェアトレード」
―仕事以外の時間はどのように過ごされているんですか?
平日は寝る前まで、エシカルやフェアトレードについて学んだり、ブログを書いたりしていますね。休日だと、フェアトレードのお店にいったり、友達に会ったり、ですね。
「エシカルやフェアトレードについて何もしない日」と決めた日は、映画を観たりもします。友だちとしゃべったり、一人で買い物に行ったり。最近は家にお花を飾りたいと思って、花屋にも行きます。エシカルや仕事のことを何も考えずにいられる時間も、自分にとって大切ですね。
―そういえば、フラワーロスについてnoteに記事を書いておられましたね。
フラワーロスについては、花を飾り始めたときに知ったことなんです。いろいろつながるなあと思って。結局どこかで(フェアトレードだったり、エシカルだったりと)つなげようとしてしまって、それが苦になっていないから、きっとずっと考えているんだと思います(笑) 好奇心が旺盛なので、一見興味がなさそうな話もすごく聴いてしまって。「あれとあれ、つながるかもしれない」って考えちゃうんでしょうね。
―ARISAさんがこれからチャレンジしていきたいことはありますか?
自分のモットーが「しない後悔よりも、やって後悔する」なんですよね。なにも考えずにやってみるということを大事にしてこれまでやってきましたし、これからもそうしていきたいと思っています。性格的に、好奇心旺盛で突っ走っていく人なので。
フェアトレードという点でいうと、自分には発信力がまだまだ足りないと思っています。押し売りや押しつけはしたくないけど、フェアトレードのことを知ってもらう「きっかけ」をつくれる人になりたいという目標はずっとあります。具体的にはブログもそうですし、もしコロナがなければ、大学とかで講演できるように動きたいとも思っています。やっぱり教育が大事だなとすごく思うので、一人でもきっかけを持ってもらうことにつながればいいなと思って。
―最後になりますが、アクセスのカードをInstagramやnoteで素敵に紹介してくださっていましたが、いつごろカードに出会われたのでしょう?
シサムで働く前、去年の秋冬くらいかな、シサム工房のお店でアクセスさんのクリスマスカードに出会いました。「すっごいかわいい」と思って。遠方の友達に送ろうと思って買いました。「フィリピンの女性たちに仕事をつくっています」というのも書いてあって。「すごくいい」と思って買ったのがはじまりですね。
自分の中でフェアトレード・エシカル商品に「かわいい」とかポジティブな気持ちを大事にしていて、アクセスさんのカードがその考え方にマッチしていました。それから、私自身が手紙を書くことを大事にしているんですよね。LINEとかよりも気持ちが伝わるように感じられて。よく書くので、(アクセスのカードが)目にとまったということもあります。
―私(竹内)も手紙やカードをよく書くんですが、カードってかわいい商品いっぱいあるんですよね。他のカードではなくてアクセスのカードを選ぶ理由はありますか?
まずアクセスのカードは手作り感がすごく伝わるというところです。
それから生産者に関する説明書きが入っていますよね。あれを同封することで、「このカードは何なのか」ということを相手に送って、フェアトレードについて知るきっかけをつくることができるんです。ただのカード、で終わるのではなく、モノのその先を考えることができるカード。それがいやらしくなくて。かわいいから手にとって、説明書きをぱっと見ると「ああフェアトレードなんだ」って。「押しつけないフェアトレード・エシカル」という自分のスタンスにマッチしているカードなんです。
―まさしく、そのように使っていただくことを期待して一枚いちまい同封しているんですよ。かわいさもあるけれど、ご自身の理念や目標と自然に合う商品なんですね。
同じ友達に、カードを送るたびに入れています。「そのたびに思い出して」って(笑) あのタグで、カードに対する愛着が湧くようで、大切にしてくれていると聞いています。
ただ、私が目指したかったのは、そのあげた人にも、カードを使う機会があるときはアクセスのカードを選んでほしいな、というところなのですが、友達に聞いたところ、「フェアトレードだから買う」という選択肢はないと。「かわいい」「その時、自分の渡したい目的に合う」というのが最初の決め手になるから、「フェアトレードだ」ということが選ぶ基準にはつながっていないという意見でした。
―フェアトレードというのが選ぶポイントにはならないんですね。
「その時に自分がほしいものにマッチしてたら選ぶ」という感じでした。私は「フェアトレードだから買う」ということが多いので、友達の意見は自分とは乖離していたんです。
今シサムで働いているので、これは貴重な意見だなと。モノを買う目的が違うんですね。「エシカルだから」という選択肢がない人も多い。だからこそ、商品のストーリーを伝えれば、「いいな」と思って買ってくださるのかな。 あと友達には「ARISAだから、買う」とも言われましたね。なのでこれを聞いて、「自分のファンを作ればいいのか!」と思いました。
(了)
フェアトレード・エシカルを幅広く学びたい方へ
ARISAさんのnoteとInstagramがコチラ。生活の中に気軽にフェアトレード・エシカルを取り入れる方法やアイテムが紹介されています♪ぜひご覧くださいね。
【note】
【Instagram】
クリスマスカードの発売は、もうすぐ!
アクセスのクリスマスカード、11月よりオンラインショップにて発売予定です。もちろん、関西をはじめとした各お取引先店舗さまでの展開も順次スタート!お楽しみに。(手作り商品のため、数に限りがあります。)
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