精神的なしんどさが強まるフィリピンに、気持ちを届けたい。

感染者数が増え続けるフィリピンで

8月10日時点で、1日あたりの新型コロナ新規感染者数が7000人を越えたフィリピン。
政府は、感染拡大防止のため、8月4日からマニラ首都圏とその周辺の4つの州に、厳しい外出禁止令(強化されたコミュニティ隔離措置)を再発出しました。対象となっているのは、マニラ首都圏のほか、ブラカン州、ラグナ州、カビテ州、リサール州です。

フィリピンでは、3月17日に厳しい外出禁止令が始まり、約2か月半の間、何千万人もの人々がほとんど外出できない日々を過ごしていました。その後、6月に規制が緩和されましたが、そのころから1日の感染者数が2000人を越えるようになりました。8月に入ると、1日5000人に激増。医療従事者が、同僚の死をきっかけに「規制を再強化してくれ」とメディアを通じて訴えたことが大きな一押しになって、今回の規制強化が決まったと報道されています。

「どうしてフィリピンに生まれてしまったのか、なんて思ってしまう」

アクセスの事業地の1つであるマニラ市トンド地区は、今回の規制強化の対象に含まれています。また、アクセスの現地スタッフの半数以上が対象地域に暮らしており、地区住民も現地スタッフも、再び生活に大きな制限がかかることに、強いストレスを感じています。

ある現地スタッフは、とても落ち込んだ様子でこんなメールを送ってきました。

また食事さえ自由に買いにいけないあの暮らしが戻ってくると思うとすごく落ちこんでる。感染者数が早いスピードで増えているのも、とても恐ろしい。貧しい人々の暮らしは一体どうなってしまうのだろうか?とすごく心配だ。また、トンド地区在住のスタッフもかなり精神的にまいってしまっていて、気にかかる。

あるスタッフは、叔父が感染していたことがわかり、14日間の隔離に入ることになった。

規制が強化され、自分が暮らす市町村の外に出ることがまたできなくなってしまった。市町村境界には兵士が見張っていて、一度出たら簡単には戻ってこられない。

今は自分をわざと忙しくして、少しでも新型コロナから目をそらそうとしている。コロナ関係のニュースを読んだり見たりしたくない。レバノンでの爆発のことやほかの時事ニュースを見るようにしている。子どもたちの在宅補習授業で使用する学習プリント(アニメ風)を作ることで気を紛らわせようとしているけど、うまく集中できない。

キモチが落ち着かない。体中にエネルギーがあふれて、そのぶつける先がない感じ。どうすればいいのか、どうやってこのエネルギーを発散したらいいのだろう。

独りぼっちのような気がしてしまう。外に出たいのに、許されない。どうしてフィリピンに生まれ育ってしまったのか、なんて考えてしまう。

力になれない。でも、何か届けたい。

普段はとても穏やかでやさしい笑顔を浮かべている彼が、これほどはっきりと弱音を吐くのは初めてのことで、私はびっくりしました。

アクセスでの活動歴が長い彼は、普段から後輩たちが悩みを分かち合える場をつくるなど、スタッフの心のケアを大切にしてきた人物です。新型コロナの問題が深刻化する中で、若手スタッフが精神的に不安定になるたびに、電話などで話し相手になり、気持ちに寄り添おうとしていました。その彼も、数か月に渡る不自由な生活によって、相当疲れてしまっているのが伝わってきました。

何とかしたい。
でも、日本から一体何ができるというのでしょうか?

「何の力にもなれない。悔しいけど、せめて彼が弱音を吐ける場であり続けよう。」
そう、私が思っていた矢先に、日本事務局のスタッフから、こんな声があがりました。

「何ができるわけでもないですが・・・フィリピンへの応援メッセージを集めて送りませんか?」

言葉で空腹を満たしたり、貧困を和らげたりすることはできないけれど・・・
「私たちはフィリピンの皆さんのことを気にかけてるよ、応援してるよ」という想いを伝えることで、少しはストレスを和らげることにつながるかもしれません。何より、言葉にして届けなければ、気にかけているということ自体が伝わりません。

「独りぼっちのような気がしてしまう」というフィリピンスタッフの言葉は、たぶん彼だけの想いではなく、きっと苦しい環境を耐えている多くのフィリピンの人々に共通する想いのはず。「あなたは独りじゃない、日本から応援してるから!会えないけど、ずっと気にかけているよ」と伝えることは、きっと無駄じゃない。

そんな風に思いました。
もし賛同していただけるなら、下記フォームより「フィリピンの人々への応援メッセージ」をお寄せください!

★受付期間
2020年8月11日(火)~8月17日(月)

メッセージ送信時にメールアドレスをお知らせくださった方には、メッセージをお届けしたご報告をお送りします。


「クラウドファンディング成功!」というニュースも一緒に届けたい

アクセスでは現在、8月15日(土)までに150万円を集めるクラウドファンディングを実施中です。
コロナ禍でスタディツアーが実施できなくなり、経営面で苦境に立たされた私たちが、これからも「子どもたちや女性の生きる力を育む場」として存続できるよう、ご寄付を募っています。

8月11日現在、達成率は78%。
ぜひあなたの力で目標達成に一歩、近づけさせてください!
皆さんからのメッセージとともに、「アクセスの存続をかけたクラウドファンディングが無事に成功したよ」という、嬉しいニュースをフィリピンに届けたいです。

この記事を書いた人

Sayo N

第二の故郷であるフィリピンで、「子どもに教育、女性に仕事を」提供することが仕事。誰もが自分のスタート地点から、自分のペースで成長できるような場づくりを大切にしています。アクセスの事務局長です。趣味はライブに行くこと。