【緊急支援報告2025】大火災の被災者の方々に支援を届けました

2025年9月13日にフィリピン・トンド地区で起こった大火災に対して、ご寄付をいただいた皆さま、本当にありがとうございました。アクセスとして実施した緊急支援の内容と、その後の被災地の様子を、写真とともにお伝えします。

こんな寄付を届けることができました

22名・法人の方々からいただいた182,282円のご寄付は、次のような形で被災者の方々にお届けしました。

  1. 食料支援
  2. 奨学生4名への学用品と住宅再建支援金
  3. 奨学生30名を対象とした火災予防セミナー+ソーラーランプ配布

1.食糧支援

バランガイ議長に食料品を受け渡しているアクセス現地スタッフ
バランガイ議長に寄付物資を受け渡すアクセス・フィリピン職員(左からジェリック、バランガイ議長、石川、メイリン、リサ)
缶詰、インスタント麺、コーヒーが入った段ボール
イワシの缶詰、インスタント麺、コーヒーが詰まった段ボール

被災した住民の中でも、自分の家を所有し、自治体に住民登録していた人々は、行政から一世帯あたり15,000ペソ(約4万円)の義援金が支給されました。しかし、住民登録せずに部屋を間借りしていた人々は、義援金支給の対象になりませんでした。そのため、そうした方々に届くよう、食料支援を行いました。

  • イワシの缶詰 300缶
  • インスタント麺 180パック
  • インスタントコーヒー 160パック

*コーヒーはフィリピンの朝ごはんに欠かせないものです。米やパンが用意できない日は、甘いミルクコーヒーで空腹を紛らわせます。
*食料品を地元自治体(バランガイ)に寄付し、最も支援を必要としている方々に届く形で配布していただくよう、バランガイ議長にお願いしました。

2.奨学生4名に、学用品と住宅再建支援金の支給

支援金8000ペソを受け取った奨学生と保護者

学用品を受け取った奨学生

今回の火災では、アクセスが支援してきた子どもたち4名のお宅も全焼しました。ある奨学生は、学用品をすべて失い、被災後数週間は裸足で過ごしていいました。その4名に、制服・靴・カバン・文房具セットを届けました。また、自宅の再建費用として一世帯8,000ペソ(約21,000円)の現金寄付もお渡ししました。

3.火災予防セミナーの開催と、ソーラーランプ配布

地域での火災予防セミナーのスライド投影の様子

集まったご寄付の一部は、アクセスがかつて支援していた奨学生や青年会メンバーへの学用品配布のために使わせていただく予定でした。しかし、幸いなことに皆さん被害を免れたということが確認できました。そのため、ご寄付の一部を、火災予防のためのセミナーとソーラーランプの配布のために使わせていただきました。

実はトンド地区では2024年3月、2025年8月にも近隣エリアで大規模火災が起きており、その度に数千人が被災しています。また、8月の火災の際には、近辺の電線がごっそり盗まれてしまい(電線の中の銅線が良い値段で売れるため)、それ以来ずっと停電が続いています。

現在、この地区の住民は、被災した人もそうでない人も、電灯の代わりにろうそくを使ったり、1日100ペソ(その日の収入の1/5~1/3程度)を支払って発電機からの電気を使用したりしています。ろうそくの使用は火災の再発を招きかねません。人々はまた火災が起きるのでは、という不安を抱えながら生活をしています。また、発電機の使用料は生活を大きく圧迫しています。

そこで、被災地周辺に暮らす特に貧しい世帯30世帯(アクセスの奨学生家族)を対象に、火災予防セミナーを実施。火事が起こるメカニズムや、よくある火事の原因などについての講習を行ったあと、火災予防のための工夫を各自で考えてもらうワークショップも実施。最後に、停電中でも使用できるソーラーランプをお渡ししました。

火災予防セミナーで学んだことに基づき、自宅でできる予防策を書き出している女性
ソーラーランプを受け取った皆さん

11月現在のコミュニティの様子

さいごに

発災直後、8,000人以上が被災したと知った時の衝撃は本当に大きく、自分にできることの小ささに胸が締め付けられるような想いでした。ですが、皆さまの力をお借りすることで、被災した皆さんに私たちの想いを届けることができました。本当にありがとうございました。

認定NPO法人アクセス
野田さよ

この記事を書いた人