”人生が変わる”スタディーツアーへの参加のススメ

設立30周年を迎えたアクセスはこれまで、フィリピンの都市部・農村部で試行錯誤を重ね様々な事業を行ってきました。その一方で、同じくらいに力を入れてきたのが、日本の人びとにアジアや世界の現状について学び自ら行動するきっかけをつくることを目的に実施してきた、スタディーツアーです。

年4回の開催に、毎年約70名の方にご参加いただいています。また、アクセスの会員・サポーターの約75%が、スタディーツアーに参加経験のある方々です。

さらに、アクセスのスタディーツアーに参加したことで、貧困問題の解決に向けて起業をしたり、青年海外協力隊を志望したりするなど、アクセスのスタディーツアーが人生の岐路となった、という人も人も少なくありません。

そんなアクセスのスタディーツアーの魅力は、いったい何なのか?今回は、過去のツアー参加者の声とともに、アクセスのスタディーツアーの特徴をご紹介します。

1.衝撃の現実を五感で感じ、当事者の声からリアルを知る

まずは、1991年に噴火したピナツボ火山の白い灰に埋まった被災地を訪れます。そこで、アクセスが建設した幼稚園・学校を見学し、子どもたちと交流します。また、ごみ処理施設を見学したり、家庭訪問を行って被災地に暮らす住民の方に直接お話をうかがいます。

”砂ほこりっぽさとか、現地に行って体験しないとわからないと思う。行けてよかった”

”実際に家庭訪問に行くことによって、被害の大きさをよりリアルに感じることができた”

”なかなかメンタルが強くないとここでは過ごせないなというのが正直な感想。でもツアーの中にこんなにもリアルな生活体験があるのは素晴らしいと思った”

子どもたちは白い灰の土で足を真っ白にしながら学校へ通います。

マニラから8時間の大移動の先にあるのは、アラバット島ペレーズ地区。透明な海と白い砂浜、青く茂る木々の中では、フェアトレード商品の生産体験、 地域の若者との交流や現地の人への家庭訪問、そして住民の方のお家でホームステイをします。

”とても美しかった。でも、美しいだけじゃなくて、その美しさの中に悲しさや苦しさ、つらさがあって、とても勉強になりました。

”ホームステイで実際の生活を体験できたのが良かった。もっと長く滞在してもよかった”

ペレーズの住民の方のお家を訪問してお話をききます。

自然豊かなペレーズから戻った後は、マニラ近郊にある都市貧困地域、いわゆる「スラム」と呼ばれる地域を訪問します。スモーキーマウンテンに代表されるようなごみ捨て場の周辺にあるコミュニティを訪問し、インタビューを行います。また、コミュニティに住むアクセス青年会所属の若者を宿舎に招き、ライフストーリーを聴きます。

”トンドは実際に行ってみて、石炭の粉など、空気の悪さを体感できた。そこに住む人たちの生活の大変さの一部を感じ取ることができた”

”インタビューしたのは、過去にスカベンジャーをしていた人だったので、実際にスカベンジャーをして働いている人の話も聞きたかった。あともう少し、インタビューをする時間を増やしてほしかった”

一人では危険で訪問できない場所も、ツアーなら安心。

”「僕が生まれ育った環境は貧乏で、恵まれていなくて、与えられたチャンスもごく僅か」
ツアーに参加するまで、そんな風に思っていました。でも、フィリピンで「貧困」に出会って、考えが変わりました。僕には家があり、今日のお昼に何を食べるか、将来どんな仕事に就くか・・・僕にはそれを選べる選択肢があります。弱気になったときは、底なしに明るくて前向きに生きようと頑張るフィリピンの子どもたちの笑顔を思い出そうと思います。そして、絶対あきらめずに挑戦し続けたいと思います”

ツアーの最後は、戦争について学びます。戦跡を訪れ、戦争を経験された方の生の声を聴きます。

”加害者としての日本の立場を考えることができ、貴重な機会となりました”

”話を聴くのもつらくなるぐらいの話を、初対面の私たちに話してくれた人々に感謝したいです。大きなことはできないけど、何かできることはしなければ、と強く思いました”

戦時中に日本軍兵士から性暴力を受けた女性の話を聴きました

2.インプットだけで終わらない、アウトプットの時間

ぺレースでのディスカッションの様子

アクセスのツアーでは、それぞれのプロジェクト地に行く前にオリエンテーションを行い、どのような背景を持っている地域なのか、どのような問題を抱えそれに対してアクセスではどのような取り組みを行っているのか、などを学びます。また、現場を訪問した後は、ファシリテーターの介入の下、参加者同士で感想を共有したり、テーマを定めてディスカッションを行います。

”話し合いを通して自分の意見を言ったり、他のメンバーの意見を聞くことで自分の意見がブラッシュアップできることを、話し合いしながら感じることができました。これからも自分の意見を話すことをためらわず、対話していきたいです”

”その日その日に感想共有したりやディスカッションを行うことで、自分の中で感じるだけでなく、他の人の意見を聞いてさらなる理解を深めることができた”

”対話、他の人と自分の持った意見を交換、発表しあうことの楽しさを学べた。いろんな人がいる、いろんな価値観、意見があると思えた”

「行って、見て、感じた」だけでは終わらず、同じ体験をした仲間と、各々が感じたことや考えたことを通わせる貴重な時間があることが、このツアーの大きな特徴といえます。

3.成長できる場

フィリピンでの12日間を通して、衝撃を受け、涙し、怒りを抱き、感動したりしながら、感じ、学び、議論する。このような密度の濃い時間を過ごすことで、自分自身に変化があったという声も多く聞きます。

”私自身の生き方、挑戦する心、これからいろいろな人と会っていく中での対話など、参加する前に比べ意識が変わったし、うまく言葉にできないけれど人として成長する場になったと思います”

”今までの人生の中でダントツに中身の濃い12日間だったし、参加前と後で自分でも変わったと思えるほどとても成長できたと思います”

”自分自身を考える分岐点にすることができたと思う。自分の夢をみつけるいい機会にもなった”

”仕事を考えるうえで、自分のしたい仕事が変わった”

”1つ1つのことが心の底にしみて、本当に来てよかった。こんなにも自分ががんばれることができるなんて知らなかった。いろんな可能性を引き出してくれる旅だった”

4.ツアーの12日間だけじゃない、事前と事後の学習会&交流会

事後学習会にて、班ごとによるディスカッション後の発表の様子

毎回、スタディーツアーの参加者の半数以上は、初海外です。また、友達とではなく一人での参加が大半です。そんな大きな不安を抱えた参加者がアクセスのツアーに参加し大きな学びを得られるのは、ツアーの実施よりも前から、参加者の不安にしっかり寄り添って、小さな相談にも親身にのっているからかもしれません。また、事前の学習会もおこない、同行スタッフや他の参加者との顔合わせ、ツアーに行く際の注意事項などと、ワークを行いながら学び、しっかりと備えることができます。

 ”事前に会える場や、ラインなどで質問したり交流できる場をつくってくれて、とてもよかった”

さらに、帰国後も事後学習会を設け、ツアーで学んだことを踏まえて自分ができることはなにかを考えたり、共に12日間を過ごした仲間たちと懇親会を設けて絆を深めることができます。

また、アクセスには現在4つのボランティアチームがあるため、「国内でもフィリピンに関わる活動をしたい!」と思ったらすぐにボランティア活動に参加することもできます。

5.さよさんの出す“ALL OK!”の雰囲気

現場で通訳をしながら、説明をしたり参加者の質問に答えるさよさん

アクセスのスタディーツアーには、添乗員はいません。その代わり、日本からツアー担当者と学生スタッフ3名、そして現地では、アクセスフィリピンのスタッフが12日間しっかりと参加者をサポートします。

その中でも、日本のツアー担当である野田は、学生時代に自身がツアーに参加して以降、40回以上ツアーに同行しています。また、申し込み時点や事前学習会での不安を正面から受け止め、相談に乗ります。

そんな野田の魅力は?
元ツアー参加者でツアーリーダーも務めたあるスタッフは、このように言葉にしました。

”ツアーを統括するさよさんの『どんと来い!』という器の大きさ、人の弱い部分を知っているからこそのあたたかい優しさから醸し出される雰囲気が、自分らしく振舞うこと、自分をさらけ出すことを、許可させ可能にする”

スタッフとして野田と一緒にツアーを作り上げた彼は、「自分のことをもっと好きになれた。自分を大切にしようと思えるようになった」とも語っています。

そんな「さよさん」をはじめとした、自分を受け入れてくれるスタッフや仲間とともに、心に深く刻み込まれる体験ができるのが、アクセスのスタディーツアーの大きな魅力だといえます。

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