社会人のわたしとスタディツアー

何かいつもと違うことをしてみたい、新しい挑戦をしてみたい、でも何をしたいのか、何をすればいいのか分からない…そんな学生さんは多いのではないでしょうか?現役インターンの佐藤も、その中の1人でした。

今回のコラムでは、学生のときにアクセスのスタディツアー(以下スタツア)に参加し、現在は社会人として働いていらっしゃる2人の方にインタビューさせて頂いた様子を紹介します。どうして2人はスタツアに参加することになったのか、それが今の自分にどんな影響を与えているのか…人生の先輩であるお2人の話を読んで、「こんなのもありなんだ!」と皆さんに思って頂ければ幸せです。

今回の登場人物

佐藤

アクセスの現役インターン。三人の中で唯一スタツア非経験者。コロナの影響で現在はリモートでインターンに参加中だが、アクセスの事務所がちょっぴり恋しい今日この頃。

まっきーさん

学部生時代にアクセスのスタディツアーに参加して以来、積極的にアクセスのボランティア活動にも関わって下さっているアクセスの先輩。誰にでも壁を作らない性格で、年下である佐藤とも仲良くして下さっている。

ゆかさん

同じく学部生時代にアクセスのスタディツアーを経験済み。のほほんとした雰囲気とは裏腹に、自分のやりたいことに向かってしっかりと努力のできるすごい人。佐藤はこれまで関わる機会の少ない方だったが、これを機にお近づきになりたいと画策している。

目次

  1. スタツアに参加してみようと思ったきっかけ
  2. 「貧困って何だろう」をたくさん考えたスタツア
  3. スタツアと今のわたし
  4. 社会人としてのわたしとスタツア

スタツアに参加してみようと思ったきっかけ

佐藤:こんにちはー!本日はお時間頂きありがとうございます。今回、人生の先輩であるお二人には色々お話を聞かせて頂きたいと思っています。よろしくお願いします。

まっきーさん:参考になるか分からんけど(笑)よろしくお願いします。

ゆかさん:うんうん(笑)こちらこそよろしくお願いします。

佐藤:お二人は学部生時代にアクセスのスタツアに参加したことがあると伺っています。私自身は「スタディツアー」という単語さえ聞いたことの無いような学生だったのですが、お二人は参加してみようと思われるきっかけなどがあったのですか?

ゆかさん:私の場合、アメリカ留学でのホームステイの経験が参加のきっかけになったと思います。ホームステイを選んだのは、英語が話せるようになりたかったからなのですが、なんとホストファミリーが日本人で(笑)だから私はすこしがっかりしていたんです。同じ学校から来たもう1人の友達は「やったー、日本人じゃんラッキー」みたいな感じだったので、もやもやとした感情も共有できなくて。

アメリカ留学中のゆかさん

でも、その子は日本語でもしっかりとホストとコミュニケーションを取っていて、しかも二人が話している内容は私が知らないようなことばかりでした。ああ、私英語で話すどころか日本語でも知らないことが沢山あるんやなって感じて、それで「もっと色々知りたい!」って思うようになったんです。

で、帰国後たまたま大学に貼ってあったアクセスのスタツアの募集の張り紙を見て、これや!ってすぐ申し込みを決めました(笑)当時、フィリピンでのイスラム国関係グループの影響もあり、行くかどうかとても悩んだのですが、せっかくのチャンスやしと思って参加することになって…なんか、縁やなぁって思います。

まっきーさん:アクセスのスタツアって、何かに挑戦したいって思った時にめっちゃいいと思う。色々背中を押してくれるし、次に進めるから。

ゆかさん:うんうん。まっきーは、どんなきっかけでスタツア行くことにしたん?

まっきーさん:私はボランティアセンターきっかけやなぁ

佐藤:ボランティアセンター?

まっきーさん:そう、大学でいい友達作りたくて(笑)ボランティアしたい人やったらいい人ばっかりやんって思って、大学内のボランティアセンターが募集していた学生スタッフになったの。

結果的にはやっぱりいい人ばっかりやってんけど、そこの副代表をしていた先輩がアクセスのスタツアを激推ししてて、「この人がこんなにおすすめしたくなるスタツアって何?」って思ったのが最初。あとは、1年生のときって色んな授業受けられると思うねんけど、その中で国際協力に興味を持ったのも大きかったなぁ。そんでバイトして行きました(笑)

佐藤、ゆかさん:自分でお金貯めて行ったのか…すごい

まっきーさん:そうそう。うちの親があんまり国際協力とかに興味がなかったから、スタツアも「何それ?」って感じやったんよね~。お金に関しては、ボランティアセンターからの補助金も使って行った記憶あるなぁ…。

「貧困って何だろう」をたくさん考えたスタツア

ゆかさんが農漁村ペレーズでお世話になったホームステイ先の家族と

佐藤:なるほど!行きたいけどお金が…と思っている学生さんは、学生向けのそういう制度とかを探してみるのもありですねぇ。ところで、スタツアって楽しいことばっかりじゃないと思うのですが、スタツア参加中にしんどかったことなどはありますか?

ゆかさん:しんどかった…っていうよりも衝撃の方が大きかったかなぁと思います。ショッピングモールに向かっている途中に見かけた、道路で横たわっている子どもと、それが街の風景の中の「当たり前」として溶け込んでいることにとても驚きました。あとは、色々考えすぎて「貧困ってなに?」ってなって、頭がパンクしそうでした(笑)

佐藤:私、1度スタツアに行ったことのある学生さんのアンケートをまとめたことがあるのですが、ゆかさんみたいに「貧困って何だろうって思った」っていう感想をたくさん見たんです。そう思ったきっかけって何かありましたか?

ゆかさん:やっぱり農漁村ペレーズ地区でのホームステイかなぁ。ホストファミリーの様子を見ていると、電気もなくて夜は懐中電灯を使って暮らしていたり、ガスコンロとかもなくてすっごい原始的な家で側からみたら明らかに貧困って思うねんけど、お母さんもお父さんも子どもたちもみんな笑って楽しそうに暮している姿をみると普通に幸せな家族やな〜と思って。想像してた、食べるものも着るものもなくて可哀想な貧困家庭って感じではなかったから。

佐藤:なるほど…まっきーさんはいかがですか?

フィリピンで出会った子どもと、一緒に指で♡を作ってパチリ

まっきーさん:私は授業とかで発展途上国の様子とかを勉強してたから、ゆかさんみたいな衝撃は少なかったけど、やっぱり授業で学ぶのと直接その場を目の当たりにするのとではインパクトが違ったなぁ。

あとは、私もホームステイでホストファミリーと話したとき、「お金はないけど家族と一緒に暮らせるだけで幸せ」って言われたときに、逆に日本はお金はあるけど、心は貧しいんじゃないかなって思って、え、じゃあ貧困って何?って思ったな。

フィリピン人って敬虔なキリスト教徒も多いから「現在の状況も神が与えたこと」って受け入れている人もいて、やっぱり貧困の定義について改めて考えさせられた。だからって支援しなくてもいいってことにはならない、とも思ったし。

佐藤:なるほど…みんなが「貧困って何?」って思う訳にすごく納得できました。私も今二人の話を聞いて、直接見に行きたいなって思ったけど、今はコロナで行けないな~(涙)

まっきーさん:うんうん。ツアー中は考えすぎてパンクしそうになるけど、次の自分の行動に繋がるすごいパワーがアクセスのスタツアにはあったと思う。

スタツアと今のわたし

スタディツアー中に泊まった宿から歩いて数秒のビーチにて、元気な子どもたち

佐藤:スタツアでの経験が今の自分に活きているなと思うことはありますか?

ゆかさん:私は必ずしもアクセスのスタツアだけでって訳ではないけど、大事にしているのは他人を否定しないこと。色んな人生が合って、色んな考え方、価値観があるから、自分の考え方だけで切り捨てないことを意識しています。

まっきーさん:私は結構人生変わるくらいアクセスに影響を受けてると思う。高校生の時は人前で話すのも嫌やったし、意見も他の人に合わせればいいと思ってたんよね。育ったのが田舎やったっていうのもあると思うけど、結婚したら妻として家で家事して過ごすんやろうなとも思ってたから、すっごく考え方の狭い世界で生きてたんやと思う。

アクセスのスタツアは自分にとってすごくターニングポイントで、自分の意見を言うことの大切さとか、多様性を認めることの大切さを学べたと思う。わたし高校のときから変わりすぎてて、高校の時の友達と会ったらびっくりされるもん(笑)

佐藤:そんなに変わったの!(笑)

ゆかさん:まっきーの話を聞いて思い出したんやけど、そういえば私も自分の考えていることを他の人に伝えるのが苦手やったかも。スタツアではグループディスカッションをする場面がたくさんあって、自分の意見を求められる場面が多かったんやけど、そういうのを言える環境を作ってくれたっていうのは大きかったと思う。すごく有難かったなぁと思います。

社会人としてのわたしとスタツア

佐藤:そういう変化は、今のお仕事でも活きているのでしょうか?コロナの影響も出てきているかと思うのですが、お二人の現在のお仕事についてと、もしスタツアが今の自分に活きているなぁと思うことがあれば教えてください。

ゆかさん:私は現在保育士をしているのですが、変わらず出勤しています。やっぱりご両親がお仕事でどうしても子どもを預かる必要はあるので…。でも保育士の人数も最小限で、三人とかです。

佐藤:ゆかさん、保育士さんだったんですか?

ゆかさん:あ、正確には保育補助のパートさんです。それだと資格がなくても働けるんですよ。今はチャイルドマインダーの資格を取りたいと思っていて、勉強中です。

佐藤:チャイルドマインダー?

ゆかさん:0歳〜小学生くらいまでを保育する施設を開設できたりする資格です。基本的には少人数制で、子どもだけじゃなくて親御さんにもケアのアクセスが出来るのが特徴です。今は資格のための学校がコロナでお休みなので、達成はもう少し先になりそうですが(汗)まっきーさんは、確か観光協会?だったよね?

まっきーさん:そうそう、滋賀で1番小さな村の豊郷(とよさと)ってところの観光協会で働いています。私のところはコロナじゃなくても、いつも三人くらいで回してる(笑)

イベントにてお仕事中のまっきーさん

佐藤:観光系やったら今暇そうと思いきや、まっきーさんめちゃくちゃ忙しそうですよね…

まっきーさん:そうそう、観光の仕事って基本は案内職か事務職に分かれるんだけど、うちの職場は案内2割、事務8割で両方掛け持ちしてとりくむ必要があるの。観光協会自体は閉まってるけど、今は事務仕事の方をやり続けてるって感じ。

佐藤:事務って、そんなにやること沢山あるんですか?

まっきーさん:そうやねん、今は観光協会の収入が全くないから、補正予算を通すための準備したり…うちの観光協会っていつもギリギリやねん(笑)でも、仕事自体はすごく楽しい。今はこの状況で何が出来るかっていうのをたくさん考えてて、やりたいことが多すぎるくらい!

スタツアで学んだこと関連で言うと、1番最初の会社の就活のとき面接官に言われた言葉が印象的で。「意見がすごくしっかり言える人」っていう評価をしてもらえたんよね。それは自分の変化を感じることが出来てすごく嬉しかった。

今の職場でも、しっかり意見を言うようにしてるんだけど、自分の意見を言うだけじゃなくて、みんなの意見もきちんと聞きつつ、みんなが意見を言ってくれるような雰囲気を作っていくのが今後の目標!そういう雰囲気の大切さはアクセスのスタツアから学んだな~。

佐藤:わたしも日々のインターンの中でそれは感じていて、アクセスの「自分の意見を表明してもいい」雰囲気づくりって、実はすごく大切なんだなぁと思っています。

ゆかさん:うんうん。私もそれに助けられた1人だし。

佐藤:わわ、全然時間経ってないって思ってたら、もう1時間以上喋っちゃってました!(笑)楽しすぎて…今日はこれでお開きですが、これを機にアクセスでもリモートのイベントとか考えてみたいなって思いました!企画したら誘わせて下さい(笑)

ゆかさん、まっきーさん:ぜひぜひ!楽しみにしています~😊

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