トンド地区での大火災:緊急救援募金について

9月13日の大火災で2,000世帯以上が被災

2025年9月13日夜から14日朝にかけて、フィリピン・マニラ市トンド地区で大規模な火災が発生。アクセス支援事業地であるヘルピングにも火が及び、奨学生4名の自宅も全焼しました。

25年9月火事地図

【被害の概要】

  • 被災世帯数:2,184世帯
  • 避難者数:8,000人以上
  • 人的被害:死者・行方不明者なし、軽傷数名
  • 火災発生エリア:
    ハッピーランド地区(地図下部)のほぼ全域
    ヘルピング地区(地図中央)の一部
  • 被災した奨学生家庭:4世帯(住宅・家財道具のほぼすべてを焼失)

*アクセスのスタディツアーでは、2015年以降は毎回ヘルピングを訪問してきました。

火災前のハッピーランドの様子

火災後のハッピーランドの様子(火事前の写真と同じ地点ではありません)

実は2025年8月6日にも、隣接するアロマ地区(地図上部)で大きな火災が発生し、約1500世帯が被災しています。近隣住民は、これ以上火事が起こらないようにと警戒しながら、不安を抱えつつ日々をすごしています。

今回の火事のあらまし

火災時の動画を掲載しているウェブページ(アルジャジーラ)

火事が発生したのは、9月13日の20時半ごろ。一帯は木造家屋も多く、火はすぐに近隣の家々を飲み込んでいきました。少なくとも28台の消防車が出動しましたが、消火用水の供給不足と路地の狭さにより消火活動は難航し、約6時間にわたって燃え続けました。午前2:46にようやく火の拡大を食い止めることができ、6:01に完全に消火が完了したと報道されています。

英字新聞のネット記事を見る限り、出火原因は明らかになっていません。こういったスラムの火事の原因は、特定されないことが多いです。立ち退きをさせるための放火ではないか?という声も聞かれます。

都市スラム火災が大規模になりやすい理由の1つとして、プラスチックゴミの存在があります。スラム住民の多くは、リサイクル可能なゴミを拾い集めてジャンクショップ(廃品回収業者)に売ることで生計を立てています。そのため、大量のプラスチックゴミがコミュニティ内に堆積されており、火が大きく広がる一因となりました。

被災した奨学生の家の様子

デイジーさん(仮名・小学5年生)

お母さんと叔父さんとの3人で生活してきました。叔父さんのがんの治療薬も含めてすべてが燃えてしまい、今後の治療への影響も心配です。

2024年のスタディツアーでディンプルさん宅を訪問した際の写真
ディンプルさん宅の焼け跡の様子

ラメルさん(仮名・小学3年生)

自宅の焼け跡で撮影させてもらった写真です。コンクリートと鉄筋だけが残っています。

ミカエルさん(仮名・5年生)

ミカエルさん宅もすべて燃えてしまいました。現在は別のコミュニティで一時的に家を借りて生活しています。火災の一週間後である9月20日に、アクセスは奨学生向けの子どもの権利ワークショップを開催したのですが、被災直後にも関わらずミカエルさんも出席しており、真剣にワークに取り組んでいました。

ミカエル火事

これまでに行われてきた緊急支援

被災直後、地域のバスケットボールコートや小中高校の校舎に避難所が設置され、多くの被災者が一時的に避難生活を送りました。被災から数週間が経った10月上旬時点では、多くの家庭が焼け跡に戻り、テントを張りながら家の再建を始めています。ただ、もともと2階や3階に暮らしてきた人々は、すぐに地域に戻ることができません。他の地区に家を借りたり、親戚の家に身を寄せたり、なかには国道の中央分離帯にテントを張って路上生活を強いられている人たちもいます。

中央分離帯に張られたテント
火事によってすべてを失ったため、裸足ですごしている少年

20年前は、火災の被災者に対する公的支援というのは明確に定まったものはなかったのですが、今は公的機関で罹災証明書をとると、義援金が支給されます。今回は避難所にマルコス大統領が訪問し、一世帯あたり15,000ペソ(約4万円)を支給すると約束しました。また、社会福祉開発省からは寝具セット、衛生キット、食料品パックの配布が行われ、炊き出しも実施されました。

NGOや教会系の団体、一般市民のグループ、住民組織による救援活動も行われています。食料品の他、衣類、生活雑貨、建材などが現物で支給されています。しかしまだまだ支援の量は十分ではありません。被災した方々の力に少しでもなれたらという想いで、この緊急救援募金を立ち上げました。

アクセスの緊急支援の内容

次の内容で、合計約16万円の緊急支援を行います。

  1. 奨学生への支援:P10,000×4世帯(現金P7,680 + 学用品現物P2,320)
  2. 元奨学生への支援:学用品の現物支給(支援人数は現在、調査中/合計15,000ペソ)
  3. その他住民への支援:中古衣類の配布4,000ペソ相当の食糧の配布

このうち、支援1については在フィリピン日系企業「Prudencial Employment Agency」が設立した「Grand Fuji Foundation」様よりご支援をいただけることが決定しました。ありがとうございます!

支援2・3にかかる【合計5万円=19,000ペソ】についても、17名の方々から、目標額を越えるご支援をいただきました。どうもありがとうございます!

アクセス・フィリピンの現地スタッフが責任をもって支援1~3を実施していきます。10月末頃をめどに、支援結果のご報告を本サイト、メールニュース、SNS等でお伝えする予定です。

*目標額5万円を上回った分については、アクセスの「緊急時基金」の一部として積み立てさせていただきます。アクセスが支援する子どもたちやその家族、およびアクセスの現地スタッフが、災害で被災した際や、深刻な病気で入院治療が必要となった場合に、この基金から支援を行っていきます。

募金は10月9日をもって終了しました。

目標額を越えるご支援をいただいたため、募金は終了しました

【全力応援!】リターンなし

  • 寄付額:1,000円、2,000円、3000円
  • ご寄付全額が被災地への支援に使われます。

【リターン】 アクセス公式アンバサダー「ターシゃん」の缶バッジ

  • 寄付額:2,000円
  • 限定10個のみとなります。
  • ターシゃんの生みの親であるイラストレーターMina Sato様より、ご提供頂きました。
  • Mina SatoさんのInstagramアカウント: @mameshibaz

【リターン】 オリジナルタオル(ジープニー柄)

  • 寄付額:3,000円
  • どの色が届くかは、お任せください。2枚ご購入いただいた場合、異なる2色をお届けします。


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