僕が転職を決めたワケ

元スタディツアー参加者の磯尾くんが、「転職しました!」と連絡をくれました。スポーツ好きの彼らしい転職先だなぁと思って話を聴いていると、その背景にはフィリピンが関わっていることがわかりました。今回は、その磯尾くんに書いていただいた記事をお届けします。


転職の最後の決め手になったのは、フィリピン・スタディツアー(スタツア)での経験でした。そんな僕の今の職場は大阪のプロバスケットチームです。

バスケは学校の体育程度の経験しかなく、言わば素人です。また、現職で何かフィリピンや国際的な支援活動を行なっているわけでもありません。では何故、最後の決め手になったのか?
それは初めて行ったスタツアでの経験にあります。

初めてフィリピンに行ったのは大学生1回生の夏でした。

大学1回生でフィリピンに行った時の磯尾くん。

一緒にツアーに参加したなかまたちと

大学に入学したらすぐに海外に行く!と決めていましたが、浪人していたこともあり、とにかくお金がありませんでした。そんな中、たまたまゼミの先輩に紹介してもらったスタツアのチラシをみたときに、「海外に勉強に行く」と言った方が親にお金の相談がしやすいと思い、参加しました。

そんな僕でしたが、いざスタツアに参加してみると日本では絶対に経験できない中身の濃い日々を経て、「日本で何かしたい!」と思うようになりました。以降、スタツアにハマった僕はその後、三度ツアー・リーダー(引率スタッフ)として参加し、他にも海外の文化に触れたい想いからアクセス以外でも短期留学へ参加したり、留学生寮で各国の留学生と共に生活するなどしていました。

しかし、せっかくそうした経験をしたのにも関わらず、 社会人になってからは何もできていない自分に一種の罪悪感のようなものを感じるようになりました。何かしたいという気持ちは持ちながらも、日々の忙しさから何もできないままの生活を送っていました。

そんな想いを持ちながら気づけば社会人6年目を迎えようとしていました。そんな時に、たまたまプロのバスケットボールの試合を観戦する機会がありました。特に何も考えずに観戦したのですが、「これだ!」と思い、すぐに行動に移す事に決めました。

元より「好きなこと、興味のある分野で仕事がしたい」と思っていました。そしてただ興味のあることを仕事にするだけではなく、「自分なりの方法でフィリピンと繋がれる方法はないか?」と考えていました。初めて観たプロのバスケットは、勿論コンテンツとしてだけでもとても魅力的ではありました。ですが、同時にペレーズ地区(フィリピンの農漁村地区)の子ども達と一緒にバスケをして仲良くなり、その中の数人が「夢はプロバスケットボール選手」と言っていたのを想い出しました。

以前は「何か国際的な事をしている企業やNGOに所属しないと、世界に貢献できることは何もできない。」と思っていました。しかし、プロバスケットの観戦とペレーズ地区での経験を思い出したときに、「もっと自分勝手に、自分の論理で何かすればいいか」と思うようになりました。
勿論、今ある国際協力機関・組織に属し活動を行う方が直接的で素晴らしいと思います。ですが、「そこまで決断はできないけど、何かしたいもやもや感のある人」は、こじつけでも何でもいいので自分勝手に決めた理由で繋がりを保てばいいと思います。

今の僕は、アクセスのバスケ好きな人に、さよさん(事務局長・野田)を通じて日本国内のバスケの面白さを実感してもらえればと思っています。そして、過去フィリピン在籍の選手も多くいるので「そういえばフィリピンでもバスケットコートたくさんあったな」と想い出してもらえるきっかけになれば嬉しく思っています。

磯尾くんから届いた、心のこもったお手紙と試合観戦チケット。

また、最終的な野望としては日本とフィリピンとのバスケットでの交流の架け橋を作り、海外ジュニアクラブを作り、フィリピンの選手発掘やジュニアクラブの創設、運営でフィリピン側の雇用増加の手伝いができればと思っています。

まだまだ始まったばかりだし、数年後には挫折してあきらめているかもしれません。でも自分の好きなことと、スタツアでの経験、想いをつなげることができて、今までよりも仕事に対して前向きになれました。

あくまでも自論ですが、国際交流協力にしろ何にしろ、「絶対にこれがいい!」「これでないと意味がない」なんてことはないと思います。仮に国際協力で絶対的な方法があるのであれば、とっくに世界は平和になってるし、戦争も起こっていないと思います。

今ある世界的な問題も自分の身近な悩みも、色んな考え方の人がいるから起こっていると思います。だからこそ「何かしないといけない!」とか何かもやもやを感じている人がいれば、自分の好きな事を勝手に掛け合わせて自分勝手な論理で繋がりがあれば十分だと思います。

もし、好きなこともない、自分なりの論理ってなに?という人がいれば、飲み会で学生時代の思い出話として伝えるだけでも僕はいいと思っています。結局は忘れずにさえいれば、それだけでも行動に変化が現れ、自分も気づかないような国際協力が実はできちゃってたりするんじゃないかと思います。

日々もやもやしながら仕事をしていた僕に転職を決意する最後の背中を押してくれたのはフィリピンの経験でした。もし、今の生活、環境に疑問を感じているのであれば、大きな行動でなくても、昔の経験を振り返ったり友達に会えば何かヒントがあるんじゃないかと思います。

アクセスの未来を語り合ったワークショップにて(2019年11月)。後列左端(白いスウェット着用)が磯尾くん。

(了)

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磯尾くんの人生のターニングポイントになったフィリピン・スタディツアー。現在、2020年2月24日~3月6日に開催のツアー参加者を募集しています。

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