フェアトレード事業部 竹内彩帆
「アフターコロナの世界に、フェアトレードの灯を絶やさない」―そんな目標をかかげて、全国のフェアトレードショップさんが一緒になって6月末から取り組んできた「フェアトレード未来チケットクラウドファンディングが、8/16をもって終了しました。
当初の目標100万円をスタートから1週間を待たず達成、最後はサードゴールの400万を超える4,181,300円という結果になり、とても驚きました。応援してくださいまして、本当にありがとうございました!
↓こんな思いで取り組みました。詳細はこちら↓
アクセスは、今回のクラウドファンディングを「広報月間」と位置づけ、以下のように目標を立てて取り組みました。
①ご自宅やお勤め先などの近くにあるフェアトレードショップを発見していただき、フェアトレードをより身近に感じていただく。また、お知り合いにも広めていただく。
②まだアクセスの商品を見たり触ったりされたことのない全国のフェアトレードショップさんやお客さまに、アクセスの商品のことをしっかりと知っていただく。
③アクセスとしてこれからの日本社会そして世界の中で、どんなモノづくりをしていきたいのか、一緒にプロジェクトを行う全国のフェアトレードショップさんとこれからどんな将来をつくっていきたいのか、をじっくり考えていく。
Contents
もっと、つながりたい。
未来チケットクラウドファンディング中、全体の広報を担当してくださった「Fairtrade shoplist」さんが実施された参加店舗さんへのインタビューや、クラウドファンディングのページそのものをご覧になって、お近くにあるフェアトレードショップを発見していただいた方もいらっしゃるかと思います。
このプロジェクトにかかわっていた私自身、初めてお名前を知るショップさんやショップのオーナーさんたちと直接やりとりさせていただく機会に恵まれ、とても新鮮だったとの同時に世界が広がった感じがしました。お店をはじめられたきっかけを知り、商品への愛がSNSの投稿ひとつひとつに表れているのを見て、とても気持ちがあたたかくなるのを感じました。「自分の気に入るものを自分で選ぶ、使う、勧める」という行動に込められた熱はこんな風に人に伝わるのか!」と日々驚かされました。
それでも、直接やりとりさせていただいたお店さんはまだ本当にわずかで、そのお店さんのお客さまに私たちの自己紹介や商品紹介をさせていただくまでには至りませんでしたし、すでに私たちの商品を使ってくださったりSNSをフォローしてくださっている方に、お店さんのことを十分にご紹介するには至らず、その点で少し心残りです。
せっかくできたつながりを、これからどうやって耕し肥やしていくか、そのためになにをすべきか、ぜひお店さんと一緒に考えていきたいなと思います。
新たな視点に気づかされた、オンラインイベント
8/1(土)の夜に開催されたオンラインイベントでは、シサム工房の人見友子さん、ココウェルの水井裕さん、そしてアクセス事務局長の野田が登壇し、新型コロナの影響を受けた海外の生産者の様子やエピソードを聴くことができました。当日のイベント参加者は160名にのぼったようで、本当に多くの方が関心を持ちイベントに参加しておられたのだなあと感じました。
イベントの企画をしてくださった方々の様々な工夫でとても楽しいイベントでしたが、個人的に非常に興味深かったのは、参加者の方からの質問とそれに対する応答の時間でした。
「日本国内にも格差があり、いわゆる貧困層とされる人はフェアトレードショップの商品は高価で買うことができない。そのような矛盾について、どのように考えますか?」
「商品を販売するとき、フェアトレードを強調して販売しているか、それともあえてフェアトレードであるということは言わずに販売しているか?」
「日本はフェアトレードが進んでいるのでしょうか?」
これまでまったくなかった視点、少し考えていたけれど言葉になっていなかった疑問などを改めて突きつけられ、「うーん、自分だったらどう答えをだせるだろうか?」と考えながら聞いていました。
同時に、わたしたちアクセスはどのような姿勢でこのフェアトレード事業を続け、グリーティングカードやココナッツ雑貨を販売していくのかについて、改めて考える必要があるということを認識するきっかけにもなりました。少し時間がかかる作業になりますが、これから他のスタッフやボランティアさんとともに、アクセスのフェアトレード事業について少し大きな視点をもってこれからの方向性を考えたいと思います。
オンラインイベントの見逃し配信がありますので、当日ご覧になれなかった方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。
「仲間を増やす機会になる」という、確信
今回のクラウドファンディングに参加するにあたって、アクセスではフェアトレード事業部のボランティアさん4名とチームを組んで実施してきました。
プロジェクトの期間中、各々がテーマを決めて自分の目線で発信。プロジェクトに参加し投稿を実施したボランティアさんの感想は後日またコラムで紹介したいと思っていますが、「広報を強化しよう」という比較的あいまいな目標設定に戸惑いながらも一緒に走ってきてくれたボランティアさんの存在は、私にとってとても心強いものでした。
自分が商品を友達からもらったり人に送ったりしている体験からカードのもつ力について力説してくれたみことちゃん、自分自身がモデルとなってアクセサリーやココナッツ商品を中心にスポットを当てた商品紹介に取り組んでくれたがっきー、フィリピンでの留学経験に基づく体験談などを盛り込みフィリピンの空気感をSNSに流し込んでくれたかずほちゃん、そしてクラファン参加に際してアクセスとしてどうかかわっていくのが良いのかを、3人と一緒に頭をひねって方針の決定に力を貸してくれたPちゃん。
商品が新型コロナの影響でなかなか届かず、検品を口実に集まることができない間、オンラインでミーティングを実施したりSNSで投稿しあったりそれに際してこまめに連絡を取り合ったりすることで、私自身が前よりちょっとボランティアさんたちと仲良くなれた気がしました。
もう一つ、今回のクラファン参加中には、アクセスフェアトレード事業部の検品やバザーに参加経験のあるボランティアさんや、商品を長く愛用してくださっているサポーターさんに、「アクセスのフェアトレードと、わたし」というテーマを設定し、メッセージを寄せていただきました。商品やアクセスへの愛着をご自身の言葉やご自身で撮られた写真で紹介くださったことがうれしかったのですが、実はメッセージをお願いするにあたって、これまで頻繁にはやりとりの機会がなかった方と久しぶりにやりとりするのが楽しかった、というのが本音でもあります。
これに味をしめて、「より多くの方と商品を介してつながっていく方法はないだろうか?」と模索中です。
商品を買ってくださる方は、「お客さま」です。お客さまにとって価値のある商品を作り、購入していただくというのがモノづくりと販売というものなのだと思います。ただ、今回のようなボランティアさんやサポーターさんとのかかわりを経るたびに、「売りたい」「広めたい」という思いを持つ人と買ってくださる人には重なるところがあり、そういった方は「お客さま」というよりはどちらかといえば「仲間」と呼ぶほうがふさわしいと思いました。
同じことが、今回一緒にプロジェクトを実施したフェアトレードショップさんとの関係においてもいえると思います。取引先のお店は「お客さま」に違いないのですが、「なにか気持ちが豊かになるものを使いたいよね」「働く人の生活もきちんと守られてつくられたものを、大切にしたいよね」という気持ちを一緒にもって広げていく、「仲間」に近いものがあると感じました。
そんな方々と集い交わる機会になったということが、今回のクラウドファンディングに参加した最も大きな収穫だったと思います。
このような機会をくださったシサム工房さんをはじめとした全国のショップのみなさまと、新しい取り組みにチャレンジするわたしたちフェアトレード事業部を応援してくださったボランティアさん、サポーターさん、そしてSNSなどで見守り応援してくださったすべての方に、心からお礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
「アクセスのフェアトレード」がわかるSNS、ぜひフォローしてください。
アクセスのオフィシャルアカウントとは別に、フェアトレード事業部のSNSがあります。このSNSでは、アクセスのフェアトレード事業部をいろんな視点から発信しています。商品の紹介はもちろん、アクセスのカードやココナッツ雑貨がどんな風に使えるのか、実際に購入してくださった方の声もご紹介しながらお伝えしていきたいと思っています。
また、生産地フィリピン・ペレーズ地区の様子や、生産者のエピソード、現場での試行錯誤の様子も発信していきます。ものが作られるところから自分の手元に届くまでの間がとても見えにくい現代、自分が大切にしたいもの・商品がどのように工夫され苦労され、どんな問題点や困りごとにぶつかりながら作られたものなのか、できる限り見ていただけるようにしたいと思います。
アクセスの商品には、本当に多くの人が携わっています。フィリピンでは、生産者、現地ペレーズスタッフ、マニラフェアトレードスタッフやその他のアクセススタッフ、日本ではデザイナーの方々、ボランティアさん、日本スタッフ、ビジネスパートナーのみなさま、ご購入くださるお客さま、そしてお客さまが贈る相手の大切な方・・・・。どんな人がどんな想いで商品に触れているのかをご紹介しながら、アクセスの商品は「人を感じる」商品であるということも、発信していければといいな思います。
ぜひ、フォローのほどよろしくお願いいたします。
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