医師・喜多野先生との都市スラムでの診療活動

齋藤裕紀子さん

今日のコラム執筆者は、2018年からフィリピンで暮らしている齋藤裕紀子さん。

2022年にアクセスと出会って以来、オンラインスタディツアーのアシスタント、手紙の翻訳、オンライン企画運営などを担当するボランティアとして、大活躍中です。

今回は、アクセスのサポーターで医師でもある喜多野先生の、フィリピンでの診療活動にて、通訳ボランティアを担っていただきました。そんな齋藤さんのレポートをお届けします!

高層ビルが立ち並ぶマニラ中心部から、トンド地区へ

トンド地区の中でも、特に住環境が厳しいヘルピング・ハンドには、アクセスが支援する奨学生が30人暮らしています。

医師の喜多野章夫先生がマニラの貧困エリア、トンドに訪問診療に行かれるという事で通訳アシスタントとして同行させてもらいました。

私の住んでいる高層ビルが立ち並ぶマニラの中心、マカティ市から車で50分、先生とアクセス現地スタッフと、トンド貧困エリアから1番近い大通りで待ち合わせをし、スタート。

一旦コミュニティの中に入ると、どこがどこかわかなくなるようなバラック小屋が立ち並ぶエリアで、現地スタッフに案内され、アクセス奨学生のいる家を30軒ほど訪問し、喜多野先生が子どもとその家族の診療をされました。

悪臭が強く、下はゴミだらけ、ぬかるんだ地面、え、こんな奥に本当に誰か住んでるの?と思うような家など、フィリピンに住んでいてもなかなか目の当たりにすることのないような光景ばかり。

喜多野先生はそんなことをものともせず、どんどん家に入って行き(笑)、1人1人の話に頷き、真摯に耳を傾けられていました。

青あざが出来やすい子どもには、「ビタミン不足のおそれがある。野菜とフルーツは食べてる?」と尋ねると、食べられていないというので、私は、子ども特有の野菜嫌いかな?と思い 「ちゃんと食べなきゃ!」 と言いかけると、野菜やフルーツは高くて買えないとのこと。

あー、そうかと、私はこのエリアがパグパグ(残飯を再調理したもの)を販売して食しているところだという事を、一瞬忘れてしまっていました。

火傷で足が化膿している男性、水イボやあかぎれができている子どもの治療、ゴミ拾いの仕事で腰痛を訴える人へのアドバイスなど他にも色々な症状がありましたが、先生の診療で特に目立った症状が子どもでは喘息、大人では糖尿病でした。

空気や環境の悪い場所で過ごしているからか、咳が慢性的に出る子どもがかなり多く、大人は食事のバランスの悪さからなのか、糖尿病の人が非常に多かったです。

先生に見てもらえた安心感からか、ほっとした表情をされている方もたくさんおり、なかなか普通の感覚からは行きづらい貧困地域で、懸命に診療をされてる喜多野先生を見て、シンプルに凄い!という気持ちで、今回ご一緒できたのは本当に光栄でした。

と同時に都会や富裕層とのギャップ、フィリピンの医療体制への疑問、どうしてこんな貧困問題が解決されないんだろうという疑問など、頭にたくさんハテナを抱えながら、マカティに帰ってきました。

(了)

トンド地区担当の現地スタッフがFacebookに投稿していた写真。「とっても疲れたけど、すっごくやりがいのある一日だった!」と明るい声で報告がありました。

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